2月13日 ナニモノ
○近所のパチンコ屋
家の近くのパチンコ屋の前を通り過ぎる。
焼きそば100円の文字。
ボク「これ、1個100円ですか?」
店員「そうすよぉ!!今、1個ならすぐ出せますよ!!!」
ぼそぼそとお礼を言いながら 、焼きそばを手にするボク。
威勢のいい店員さん。すっかり引きこもりのせいで、口が全然回らなかった。
彼はボクを見て何を思っただろう?サンダルで、ひげを伸ばした引きこもりニートとでも思っただろうか。
いや、今置かれている状況はまさにその通りなのだが。。。
○自宅
焼きそばを勢いよく食べるボク。
ボク「もう14時か…」
ふいに独り言が口をついた。
こんなドラマの登場人物のような平凡な独り言をつぶやくほど、
僕は誰とも喋らなくなっていた。
これも会社を辞めて恐れていたひとつなのだ。
コンビニで買った、しそおにぎりを頬張る。
ボク「これ、失敗だな…」
また独り言だ 。
○自宅(夕方)
玄関のドアを開けるボク
雨の匂いがする。
ああ、そういえば今日は雨が降る日なんだ。
天気なんか気にも留めていなかった。
そういえば今日は金曜日。
今まであんなに楽しみにしていた、金曜日の夜だったんだ。
幸せは相対的に生まれるとして、
僕はこの金曜日を取り留めもない1日としてしかカウントできなくなってしまった。
○松屋
つゆだくの牛丼と生卵を目の前にする。
でも、それでいい。
それがいいんだ。
金曜の夜を楽しみに生きるなんて、
しがらみの中で無理矢理編み出した楽しみでしかないのだ。
○(回想)高校時代
高校生のころ、
「数学の授業って意外と楽しいかも」って無理矢理思ってたのとまったく一緒。
今は、数式を見るだけでも虫唾が走る。だって、楽しいわけないんだから。
でもそうやって思い込ませる事にちゃんと成功すれば、「楽しい」は成立するのかもしれない。
ボクの場合、会社では失敗に終わったけど。
Instagram用に牛丼の写真を撮るボク。
シャッター音に反応し、隣のサラリーマンが不審な目でこっちを見る。
ボクは今、何者なんだろうか。
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※そんなに思い悩んでいません。
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